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一篇很有意思的評論^^

 

三池監督最新作は豪華マカロニ・ウエスタン!

今まで観たことない役者のぶち切れ加減が快!怪?

 

Fe-MAIL 一宮千桃 Entertainment Flash  

16回 CINEMA スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ
http://www.fe-mail.co.jp/trend/entertainmentflash/70914.cfm
 

年数本のペースであらゆるジャンルの映画を撮りまくり、海外での評価も高い異才、三池監督の最新作はマカロニ・ウエスタン。そして日本映画なのに全編英語というチャレンジ作は、摩訶不思議なセクシーな世界を作りだし、俳優たちの熱演に目を見張らせる快作となっている。いつもなら製作予算、日程をはみ出すことのない早撮りの監督も、今作は予算、日程共に大幅にオーバー。「ほんとに俺が撮ったのかな?」と当時を感慨深く振り返る監督に撮影裏話(爆笑!)を伺った。

 

ヤクザ映画とかが多い監督。怖いんかしら?と思っていたらゴツいのは顔だけで(失礼!)深みのある声でゆっくり諭すように喋る口調は説得力があり、とっても正直で誠実。ギャグのツボも心得てて、スレンダーな細身の体も好印象で、惚れそうに(!)なっちまいました(笑)。

 

映画は義経(伊勢谷友介)率いる源氏ギャングと、清盛(佐藤浩市)率いる平家ギャングが敵対する村に凄腕のガンマン(伊藤英明)が現れ・・・後は黒澤明の「用心棒」の世界が繰り広げられる(ただし西部劇です)というもの。全編英語のセリフというのは「俳優たちのハードルを上げるために、使い慣れてない英語を喋らせて普段と違う世界に入って演技させるっていうのが、面白いんじゃないかと思ってね。出てる俳優たちは皆世間的に認められてる人たちなんだけど、やってる仕事の中にどっか不満があるのね。今の映画やテレビドラマって基本的に安全圏で普通の人の役多いから、役者としてはどーもナーってのがあって、皆どっかで暴れたいってのがある。

 

それが英語を使うことによって新人に戻れるし、普通こんなことやんないだろ?ってことも西部劇だからやれちゃう。一人に火がつくと、あっ俺もって奮起していく現場で、だから皆すごい楽しんでやってたんじゃないかな」。

 

英語と言っても和製英語というか、独特の英語で、私としてはすっごく聞き取りにくい英語(普通日本人のしゃべる英語って日本人には聞き取りやすいと思うんだけど)だった。「英語の水準は高くなくて、テキトーでいいって言ったんだけど、こういう映画を何本か作って日本英語が認められればいいわけでね。白人とかにちゃんと聞き取ってくれよ、努力しなさいよ、なんて言って(笑)。」でも、この英語のおかげで伊藤英明演じる凄腕ガンマンはよりカッコよく、ニヒルな魅力を発散。私は一番彼の英語が自然で良かった。それから異様にぶち切れてたのが安藤(政信)くんで、眉つぶして付け歯してるわ、木村佳乃の顔舐めまくるわ、で変態っぷり全開。木村も5分以上の一人ダンスシーンを大熱演し、大胆なセックス・シーンもこなした。

 

「木村さんて、CMのせいかな? お茶の間的な雰囲気あるけど、ありゃ日本人じゃねーな(笑)。あっけらかんとしてる。思ったことズバズバ悪意なく言うし、桃井(かおり)さんは悪意持って言う人で(笑)このふたりは面白いナと。まあ、桃井さんは助監督の時いじめられたからここは復讐しとかないと(笑)ってね」。

 

本作は映像が凝っててちょっと今まで観たことのない色合いだ。クロス現像という特殊なものらしいが。「これね栗田(豊通)さんのアイデアで、日本初。アメリカじゃミュージック・ビデオなんかで使ってるけどね。フィルムがスライドのエクタクロームで、それを特注でつないでフィルムの並びにしてもらってネガ現像してる(要するにポジをネガ現像してるってこと)。で、普通の現像液は使えないから液を取り替える前の日に現像してもらう。このノウハウって日本にないからデータとってテスト繰り返すわけね。絞りひとつ間違えても真っ暗になっちゃうし、現像液も気温によって黄色くなったり赤くなったりするからね。栗田さんはハリウッドでカメラマンやっててすごいキャリアがある人なのに常に新しい何かをやりたい人で、ラッシュ見るたびにワクワクしましたね。それは役者たちも一緒で、ラッシュ映像見た瞬間から変わったね。それまで撮影順調にいかないと文句もでたんだけど、これは妥協しないぞ、いつまで撮影やってもいいよ、ってなったもん。やっぱ映像の力ってすごい!よね」。

 

「自分が作る映画は観てもらって楽しい時間を過ごしてもらったらいい。自分には何かを伝えたりする力ないし、自分以上に自分を見せる必要ないし、プレッシャーもあんまりないし、割と楽に映画作れる人。まあ、なんとなくやって来てる中で自然にウエスタンになっちゃったけど、今から思えば夢のような撮影で、あれっ俺撮ったのかな?って感じ。少なくとも自分の力じゃないよね。だから映画って面白い」。

 

強い思い入れもなさそうに語る監督だけど、それぐらいの距離の取りかたが映画にはいいのかも?なんて思わされもした。でも、今作はけっこう力入ってますよ。それが映像から伝わってきましたもん。

 

 

一宮千桃(いちみや・せんとう)

映画評論家。講師。MC情報誌映画担当を経て独立。フリーで文筆や講師活動を行う。好きな映画は「ピアノ・レッスン」。小学校の頃から観つづけてきた映画によって愛も恋も男も女も人生もオシャレも知ったという箱入り乙女(?)。趣味は海外旅行、読書、クラシック音楽鑑賞、美術展巡り。宝石収集。占い。古本屋巡り。

 

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